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岩の力学 News No.055


北海道開発コンサルタント(Docon


1.Doconの概要

 Doconは1960年に総合建設コンサルタント業として北海道に基盤を置き、札幌市に設立されました。1997年に本社を札幌市厚別区に移し、現在に至っています。組織は土木部門、都市部門、農業部門、共通技術部門、技術研究部門などからなり、職員数は約800名となっています。そのうち、地質・岩盤関係に携わる部署として地質部、防災対策室(合計70名)があります。

 

2.研究開発の概要

 研究開発内容は多岐にわたりますが、このうち岩盤関係の研究開発の一端を紹介します。当社における岩盤関係の研究開発は、地質部、防災対策室など現場と連携して実施しているものが多く、また、大学との共同研究も実施しております。

(1)スケール付きカメラによる落石規模の特定

 斜面災害の発生時あるいは災害を未然に防ぐ防災対策調査では対象斜面が標高差200m以上におよぶ急崖地であったり、二次災害の危険が高く人間が近寄り難い場合がしばしばあります。特に、災害が発生した場合には、迅速に不安定岩体の大きさや開口亀裂の幅を特定し、かつ記録に残す必要があります。

 そこで、100m以上の距離からでも被写体の大きさを精度良く測定し、フィルム中にスケールを写し込むことができるスケールカメラを開発しました。これによって落石規模の特定を行い、対策工の検討に必要な情報を求めることができるようになりました(特許出願中)。

 図1はスケール付きカメラのシステムブロック図です。ノンプリズム測距儀からの距離データを受け取り、距離と計算されたスケール値をフィルム背面から写し込む仕組みになっています。写真1はスケール付きカメラの外観です。写真中のAがカメラ、Bがノンプリズム測距儀、Cがコントローラです。写真2は落石・崩壊が懸念される斜面の写真です。写真右下の数字のうち、上段は画面中央の+印までの距離であり、下段は写真の下部に写し込まれたスケール最小目盛の長さを示します。

 

-1 スケール付きカメラのシステムブロック図

 

写真-1 スケール付きカメラの外観

 

写真-2 崩壊危険斜面スケール値(m/span)


(2)地上写真測量による岩盤斜面解析

 斜面の安定性の解析や斜面対策を実施する場合、その地形情報を得、斜面の割れ目状況を把握する必要があります。市販のデジタルカメラと、パソコンベースの写真解析ソフトを用いて、斜面や割れ目の解析手法を開発しました。斜面の傾斜や割れ目の構造の把握ができ、写真中に位置座標の表現が可能であり、写真画像を利用するので現地での情報伝達がより正確になります。

 写真3は斜面内の比較的明瞭な平面構造を縁取りしたものです。写真4は斜面の面構造を三次元表示したもので、下部の赤と青の四角印は解析に使用した写真のカメラ位置を示しています。

 


(3)岩盤変状の抽出

 急崖斜面の調査・点検をする上で、岩盤斜面の変状状況の把握が重要であります。どのような箇所が崩落したのかなど、崩壊発生のメカニズムの解明に必要となります。2時期の写真を見比べて、変状箇所を探すのは、非常に根気を要する作業になります。市販の画像編集ソフトを用いて2時期の写真から、変状箇所を抽出する手法を開発しました。システムが簡便であり、特殊な機材も少なく経済的に、変状の抽出をすることができます。

 写真5は初期画像です。写真6は20日後に撮影した比較画像です。写真7は両者の画像を重ね合わせることにより変状箇所が白く浮かび上がるので、その箇所を抽出しマーキングしたものです。

 


3.おわりに

 近年、北海道内では豊浜トンネル、第2白糸トンネル等の大規模な岩盤崩落が発生しており、その予知・予測手法の確立が急がれております。当社では今回ご紹介した研究の他に岩盤破壊時のAE発生特性の把握、GISを利用した斜面防災の研究などを行っており、斜面災害の防止に向けた、より実用的な研究開発を目指したいと考えております。

 

Doconホームページ:http://www.docon.co.jp

 


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