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岩の力学 News No.077


四国電力株式会社(四国電力グループ会社)


 1.会社概要

1)概要

 四国電力株式会社は、昭和26年の会社設立以来、半世紀にわたり四国管内のお客様に電気の供給を行ってきております。

  供給地域のお客様の人口はおよそ420万人(日本全体の3%)、供給面積は19,000km2(日本全体の5%)と全国規模からすれば小規模ではありますが、離島、山間部のお客様へも良質の電気を安定的に供給するため、水力、火力、原子力発電所建設による電源開発と流通設備の構築を進めてまいりました。

 現在、発電所数については、65ケ所、686万kw、このうち水力発電所は、58ヶ所、114万kw(17%)、火力発電所は4ヶ所、370万kw(54%)、また原子力発電所は1ヵ所、202万kw(29%)の構成になっています。

 

2)土木関係組織・担当業務

  当社では、電力自由化に伴い平成14年から導入された事業本部制のもと、土木関係の組織は、水力設備(ダム、トンネル、水槽等)を主管する水力部と、水力・火力・原子力・送変電設備主管部等を技術サポートする土木建築部の2部門体制で組織運営しております。

 

3)主要工事

 当社において、岩盤力学に密接に関連する大規模工事としては、以下の2例が挙げられます。

@伊方発電所  

  伊方原子力発電所は、伊予灘に面した佐田岬半島の付け根の愛媛県西宇和郡伊方町九町に位置し、昭和529月に1号機(出力566千kw、PWR)、昭和573月に2号機(出力566千kw、PWR)、平成512月に3号機(出力89万kw、PWR)の営業運転を開始しました。

  発電所建設にあたっては、敷地の地質・地質構造、原子炉設置位置付近の基礎地盤性状及び原子炉施設の設計・施工に必要な検討資料を得るために、地表地質踏査・弾性波探査・ボーリング調査・試掘坑調査等を実施しました。

また、基礎地盤の強度、変形特性等を把握するため、試掘坑内において岩盤試験を実施するとともに基礎地盤を構成する岩石の物理的・力学的特性を把握するため、ボーリングコア及び試掘坑から採取した供試体による岩石試験を実施しました。

 特に、伊方発電所の位置する愛媛県西部には低温高圧の変成を受けた三波川帯の塩基性片岩(緑色片岩)が広く分布しているため、岩石試験・岩盤試験を実施する際には、異方性を考慮出来るよう、片理面との角度を各種設定するなど、詳細な試験・検討を実施しました。

 これらの、地質調査、各種岩石・岩盤試験の結果等に基づいて、原子炉建物基礎地盤の安定性等について有限要素法によって解析・評価し、原子炉施設の設置に十分適したものであることを確認の上、施設を建設しました。

A本川発電所

本川発電所は、吉野川の源をなす四国山地の中央の山岳地に位置し、昭和576月に営業運転を開始した最大出力60万kW(30万kW×2)の純揚水式の発電所です。

落差は、当時、本邦最高の567mで、高落差(高水圧)に対処するため、高張力鋼と軟質継手を採用し、水圧の一部を周辺岩盤に分担させるなど、合理的設計を行いました。

また、地下発電所は片理が発達し異方性に富む泥質片岩(黒色片岩)地帯の土被り約270m地点に、幅24.3×高さ47.4×長さ98(総掘削量864003)のキノコ形として建設しました。結晶片岩地帯での大規模地下発電所建設は、日本では初めてであり、各種岩石試験や地山内の初期応力測定と共に、特に岩盤の異方性に着目した岩盤変形・セン断試験等を行い、掘削時の応力解放に伴う周辺地山の変形挙動および空洞安定性を、有限要素法によって解析・評価すると共に、Q値やスリップライン法を用いた支保設計により安全な建設を行いました。なお、現在も光波式測距儀等を用いた空洞の変形挙動観測を継続するなど、常に最新の知見・技術力の開拓・研鑽に努めています。

 

2.グループ会社

1)概要

  四国電力グループは、現在、21社、1.2万人規模となっており、産業や生活基盤となる電気の供給を通じて地域の発展に貢献するため、安定的で効率の高い供給体制の構築に努めるとともに、「地域と共に生き、地域と共に歩み、地域と共に栄える」という基本理念に基づき「グループは一つ」という意識のもと、時代に求められる新しい企業グループへと変革を果たしていくこととしております。

 土木建築部門に関連する会社としては、且l電技術コンサルタント、四電エンジニアリング梶A且l国総合研究所、四国計測工業梶A四電ビジネス鰍フ計5社が存在します。

 

本川発電所計測位置図

 

以下に、岩盤力学に比較的関係の深い3社が保有する専門技術について紹介します。

 

2)保有技術

@四電技術コンサルタント 

同社は、ダム・河川、道路、港湾などの土木構造物および原子力発電所から一般・公共建物など建築構造物の調査・設計・工事管理を始め、地域開発・都市開発計画、環境調査や環境アセスメントなどにも取り組んでいます。

また、平成11年にはISO-900112年にはISO-14001の認証を取得するとともに、近年の情報の高度化、自然環境の保全、アメニティーの向上など、社会資本に対する多様なニーズに応えられるよう、新技術の開発・導入に積極的に取り組み、より多くのお客様から期待され信頼される総合技術コンサルタントを目指しています。

A四電エンジニアリング

 同社は、産業機械、原子力、電子通信、環境保全、コンピューター、土木・建築工事など、幅広い分野で、調査・設計から製作、施工、メンテナンスまでを一貫して請け負う総合エンジニアリングです。

また、最近では、タイやチリ、中国などで発電・環境機器メーカと協力してエネルギープラントや送電・変電・配電設備などの調査・設計・建設工事を請け負うなど活躍の場を海外にまで広げています。

 さらに、平成11年にはISO-9001の認証を取得するなど企業体質の強化にたゆまず努めています。

B四国総合研究所

 同社は、電力コストの低減、安定供給、負荷の平準化、需要の開拓などに資する技術の研究開発を主に実施しております。

 土木関連技術としては、地質・岩盤・地すべり・活断層調査技術、斜面の耐震解析技術、構造物の劣化診断技術、さらには鉄筋の腐食診断技術等に取り組んでおり、関連学会等に積極的に成果を公表するなど情報発信にも努めております。

 

3.今後の取り組み

 四国電力グループと岩盤力学との関係は既に半世紀以上の歴史の中で非常に関わりの深いものであり、特に大型電源開発等の新設工事に伴って発展してきた部分も数多く存在します。

 近年は、電力需要の伸びの鈍化等の外部環境の変化に伴って、土木建築部門の担う役割も徐々に変化しつつありますが、今後はこれまでの設備の新設に重きをおいた技術開発のみならず、保守を視野に入れた岩盤関連技術の開発にもグループ企業の総力を挙げて、積極的に取り組んでいきたいものと考えております。

 

 

以 上


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