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1.技術研究所の概要
奥村組技術研究所は大阪市の住之江区に昭和39年に設立されました。その後、昭和59年に茨城県つくば市に筑波研究所が併設され、平成6年に両研究所はつくば市に統合されて現在に至っています。当研究所は、図−1に示すように、土木技術分野3グループ、建築技術分野2グループと企画·管理グループの6グループから構成されており、総勢は41名です。このうち岩盤工学に関する研究は地盤グループの6名が主に担当しています。
図−1 技術研究所の組織
主な研究施設としては、免震オフィスビル、3次元6自由度振動台、反力床·壁、音響実験棟などがあります。岩盤関係では、剛性試験機、三軸セル、弾性波探査装置、比抵抗探査装置、BTV、孔内載荷試験装置などを揃え、現場、特に山岳トンネルでの岩盤物性評価技術に力を入れています。ここでは、当研究所の岩盤評価技術の一端を紹介します。
2.掘削機械の応答データを用いた地山評価
山岳トンネル工事では、これから掘削する岩盤の特性を短時間に精度良く予想することが、施工管理上極めて重要です。そこで、ブーム掘削機等の稼動時応答データから、切羽位置岩盤の特性を評価する技術に取組んでいます。従来は機械の比エネルギからの評価が主流でしたが、精度に難がありました。ここでは、「岩盤の硬軟や亀裂の多少に応じて掘削時の機械振動が変化する」という坑夫の実感に着目しました。模型実験や現場測定の試行を経て、岩盤の硬軟に対して掘削機ブームの振動加速度の感度が良いことを見出しました。図−2にブーム掘削機と加速度センサーを示します。図−3から、ブームの加速度振幅と切羽ごとの一軸圧縮強度の分布形が良く対応することが分かります。また、図−4は、ブームの加速度振幅等から算出した切羽評価点と実際の評価点を対比したものであり、この手法が経験技術者と同等以上の切羽評価性能を有することを示唆しています。
図−2 ブーム掘削機と加速度センサー
図−3 ブームの加速度振幅と一軸圧縮強度の対比
図−4 ブームの加速度振幅から推定した切羽評価点
3.蛍光法を用いた岩盤の亀裂評価技術
岩盤構造物の設計·施工に際して、内在する亀裂の形状を正確に捉える技術が重要です。そのための手法として蛍光法に取組んでいます。すなわち、この方法では、蛍光剤を混入した注入剤を亀裂内に浸透·定着した後に紫外線を照射します。その結果、亀裂と周囲のコントラストが大きくなり、開口亀裂を精度良く識別できるとともに、二値化された情報が得られてその後の画像処理にも有利に展開できます。図−5は、ダムグラウトの注入ステージごとに混入する蛍光剤の色を変えて亀裂の幾何学性状を調査した結果であり、ボアホール孔壁画像を展開して示してあります。グラウト濃度別の浸透経路、開口の大きな亀裂内でのグラウトの浸透·定着プロセスなど、グラウトの基本的なメカニズムを理解する上で有用な情報が得られました。
図−5 ダムグラウトへの蛍光法の適用例
4.おわりに
当研究所の取組んでいる岩盤評価技術の一端を紹介しました。今後も、施工中の岩盤評価技術の向上に寄与できる研究開発を進める所存です。皆様の一層のご指導·ご支援をお願い申し上げます。
(お問い合わせ先)
株式会社奥村組技術研究所
〒300-2612 つくば市大字大砂 387
TEL : 029-865-1521、 FAX : 029-865-1522
HP :
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蛭子清二 seiji.ebisu@okumuragumi,jp |