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1.電力中央研究所の概要
電力中央研究所は電気事業に関わる科学技術および経済・社会の研究を行うために電力会社からの拠出金で運営される財団法人です。その研究分野は電力、土木、環境、生物、経済・社会など多岐に亘っています。そのため拠点は横須賀(神奈川県)、狛江(東京都)、大手町(東京都)、我孫子(千葉県)などに分かれていますが、土木分野は我孫子を拠点としています。
岩盤はダム基礎、地下発電所、高レベル放射性廃棄物地下処分施設などの重要構造物を構成しますので、岩盤の調査と評価が重要となります。当所ではこれまで岩盤掘削時の挙動解析手法や初期地圧測定方法などの開発を行なってきています。ここでは、物理探査、地下水流評価、岩盤特性の試験と評価に関する最近の研究開発の一端を紹介します。
2.物理探査技術
物理探査により地下の岩盤構造を可視化することができますが、さらにその可視化断面から工学的な地盤物性値分布を評価することを目的に研究を進めています。そのために例えば、様々な岩種の岩石コア試料による室内試験で比抵抗・弾性波速度とこれら物性値との相関性を解明しつつあります。また、フィールドにおいても空洞周辺岩盤のモニタリングや、複数の探査結果を複合的に解析して地盤の力学特性や透水特性の分布を求める手法の開発を行なっています。図-1は、掘削後1年3ヶ月後と2年4ヶ月後の高密度電気探査結果を用いて、水分が消散し高比抵抗に変化した領域を、岩盤中の地下水の不飽和領域として推定した結果です。
図-1 高密度電気探査法により緩み域中の地下水の挙動を推定する
3.地下水流の評価
岩盤中の地下水は主に割れ目を主体とする浸透経路(水みち)を流動します。このような地下水流動構造(水理地質構造)を的確かつ合理的に調査、評価する方法について検討をしています。たとえばボーリング孔内でボアホールテレビ観察などによる岩盤割れ目の性状を調査するのに加えて、フローメータ検層、光ファイバ温度測定などを組み合わせ、岩盤中のどの割れ目が水みちとなっているかを検出したり、複数のボーリング孔間に適用して水みちの空間的な連続性を評価する方法に関する研究を進めています。
図-2は、当所で開発されたフローメータ検層による割れ目の検出方法を示したものです。ボーリング孔内にプローブを降下させながら孔軸に沿った流速を測定し、同時にボアホールテレビで孔壁を観察することにより、水みちとなる割れ目を推定することができます。
図-2 フローメータ検層により水みちとなる亀裂を知る
4.岩盤の工学的評価
従来、岩盤の変形と強度の特性を調べるために主に原位置試験が行われています。変形特性を調べる試験としては、地表面や調査坑道内では平板載荷試験、ボーリング孔内では孔内載荷試験があり、強度を調べる試験としては、地表で岩盤せん断試験が行われています。
これらはこれまで広く行われている実績の多い方法ですが、次のような欠点も挙げられます。例えば、
1)
平板載荷と岩盤せん断試験では、岩盤表面の緩みの影響を受けやすい、
2) 変形特性と強度特性を別々の試料で求める必要がある、
などです。そこで電中研では従来は小さい試料を用いて室内で行われてきた三軸試験を原位置の大きい試料で実施する原位置三軸試験を開発して、その基本的な実証試験を行いました。図-3にその手順概念と、試験後の供試体を示します。この試験体の寸法は、外直径40cm、内孔径8.6cm、有効高さ約100cmです。
図-3 原位置サイズの強度・変形特性を、緩みの影響を受けずに正確に調べる
この方法により、原位置試験に相当する寸法で、室内試験に匹敵する精度での三軸試験を行なうことができ、試験坑のゆるみ領域を避けた岩盤本来の特性を求めることが可能になりました。
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(連絡先) |
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(財)電力中央研究所 |
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我孫子研究所 地圏環境部 新 孝一
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TEL.0471-82-1181
FAX.0471-83-8700 |
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e-mail: shin@criepi.denken.or.jp
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